あらすじ
時空を超えた超ド級SF活劇。ただし主人公は、印刷のことしか頭にない。
舞台は足立区の「大宇宙印刷」。入社15年目の四色機オペレーター・高木裕太(34)は、顔はいいが口を開けば「インクの粘度」と「紙の目」の話しかしない、生粋の印刷バカ。恋人にもフラれ続け、「つまらない男」の烙印を押された彼だったが、ある日謎の女が持ち込んだ「特殊なアルミ版」を機械にかけた瞬間、工場ごと中生代のジャングルへとタイムスリップしてしまう!
恐竜が迫り、時空が歪み、世界が白紙に戻ろうとする絶体絶命の危機。しかし、裕太の関心事はただ一つ、「極端な湿度による紙の波打ちと、見当ズレ」だった――。
神格化されたカリスマ社長(不在)の教えを胸に、つまらない男のブレない職人魂が、バラバラになった宇宙の網点をピタリと合わせる、前代未聞のSFシリアスお仕事コメディ!
【人物紹介】
高木 裕太(たかぎ ゆうた)
本作の主人公。大宇宙印刷の凄腕・四色機オペレーター(34歳)。中肉中背の引き締まった体つきで、黙っていればモテる精悍な顔立ち。しかし、人生のすべてが「印刷」で構成されており、人間としての面白みはゼロ。世界の危機を前にしても「納期」と「印刷品質」を最優先する異常なプロ意識が、結果的に宇宙を救う。
クロエ・マクスウェル
未来からやってきた自称・天才時空物理学者(22歳)。歴史のバグを修正するため、特注の版を大宇宙印刷に持ち込んだ張本人。極度のガサツで、常に周囲を振り回すトラブルメーカー。裕太の完璧なルーティンワークに惹かれ勝手に「ダーリン」と呼ぶが、当の本人からは「機械を汚すな」と邪険にされている。
鈴木さん(本名不詳)
大宇宙印刷で「紙揃え」を担当する巨漢のアルバイト。無口でほとんど喋らないが、紙の束に空気を入れる技術は人間離れしている。いざという時には凄まじい怪力で裕太たちを物理的にサポートする、謎多き頼れる相棒。
工場長
大宇宙印刷を仕切る60歳の楽天家。時空の彼方に飛ばされても「家賃が浮いた!」と喜ぶ豪快な男。どんな絶望的な状況でも、どこからともなく急ぎの商業印刷案件を受注してくる謎の営業力を持つ。
岡崎 諒太(おかざき りょうた)
大宇宙印刷の親会社「岡崎印刷」の三代目社長(45歳)。裕太の高校の先輩であり、彼が絶対的な神として崇拝する男。本編には一切登場しないが、裕太の脳内で幾度となく名言(印刷哲学)が引用され、物語の精神的支柱として君臨し続ける。