あらすじ
──とある日、世界が変わった。
高森最後(たかもり さいご)。
クラスに馴染めず、世界からも一歩距離を置いていた、どこにでもいる高校生。
そんな彼が、何の前触れもなく異世界へと放り出された。
「特別な力なんて、何もない」
最初はそう思っていた。
けれど――違った。
彼にもまた、力はあった。
ただそれは、望んでいたようなものではなかった。
そしてこの世界に来たのは、決して偶然ではない。
何かが、最初からずっと彼を見ていた。
闇の中で、じっと。
これから始まるのは、彼が思い描いていたような冒険ではない。
最後が手にした力――それは「死に戻り」。
死んだ瞬間、時は巻き戻る。
一見、希望のような力。
だがそこには、彼がまだ知らない残酷な代償があった。
同じ相手が幾度も死に、そのすべてで救えなかった時――
その者は、二度と戻らない。
何度時を巻き戻しても、もう会えない。
まるで最初から、存在しなかったかのように。
そしてこの力だけが、彼のすべてではなかった。
頼れる者は誰もいない。
有利な条件など、何一つない。
見知らぬ世界で、ただ生き延びるために足掻く。
──何度、死ねばいい。
──その果てに、何を手に入れる。
これは、死してなお歩み続けた、ひとりの少年の記録。
※本作には流血・死亡描写がありますが、過度にグロテスクな表現は避けています。