あらすじ
過労死した俺が目を覚ますと、そこは処刑台の上。転生先は民に憎まれる悪徳宰相アルベルト――斬首まで残り数秒だった。
死にたくない一心で「私を殺せば、次の悪はもっと巧妙に隠れるぞ」と口から出まかせの演説をしたら、なぜか処刑は延期。仕方なく保身のため悪政を続けることにした。
「全員から搾り取れ」→身分差のない公平な税制と大絶賛。
「秘密警察を作れ」→民を守る相談所として大人気。
「震えて納めよ」と布告を出せば、民は祝杯を上げる始末。
違う。俺はただ生き延びたいだけの悪役なんだ。なのに部下は勝手に善意に翻訳し、すべてを見抜いた腹黒王女は面白がって俺を大陸の表舞台に引きずり出していく。帝国、海商、教国――気づけば俺の「悪政」は、大陸の歴史を動かし始めていた。