あらすじ
築古のボロアパートの一室。床一面を埋め尽くすのは、赤い無数の短冊と、そこに書き殴られた「懺悔」の言葉。姉の華美は、17年前に祖父が死んでからずっと、何かに取り憑かれたように短冊を書き続けている。
――わたしがわがまま言ったから、おじいちゃんは死んじゃったんだ!
弟の咲太は、狂気に囚われた姉のために、ただ笹の葉を盗んでくることしかできない。幼い頃の歪んだ家庭環境。姿を消した両親と、新興宗教「華の会」。そして17年前の七夕の夜、崖の上で起きた「祖父の死」の真実とは。ある姉弟の終わらない七夕の物語。