あらすじ
数年前、世界中で「氷魚」と呼ばれる謎の存在が確認された。
氷でできた魚のような姿を持ち、その姿を見た者には幸運が訪れると言われている。
しかし、その生態は全く解明されていない。
捕獲しようとすると氷魚は溶けるように消滅し、死骸どころかなんの成分も残らない。
学者たちは未知の生物として研究を進めていたが、決定的な証拠は何一つ得られなかった。
まるでそこには何も無かったかのように。
そんな中、大学生の笹部裕一郎はある仮説に辿り着く。
「氷魚は生物ではなく、妖怪なのではないか」
妖怪とは、人間に認識されることで姿を変え、伝承としてのみ残る存在。
もし氷魚がそうした存在ならば、捕獲できない理由にも説明がつく。
氷魚が世界中に知られてしまった今、既に氷魚は“妖怪”ではなくなっているのではないか。
しかし今この世界には、まだ発見されていない妖怪が存在するはずだ。
好奇心だけで危険な場所へ踏み込む上重哲太。
妖怪には興味があるが幽霊だけは苦手な笹部裕一郎。
二人は大学非公認サークル「妖怪研究会」を立ち上げ、日本各地に残る怪異の調査を始める。