あらすじ
世界から一つの「名詞」が消えた日、人々は目の前にある物でさえ認識できなくなった。名前を失ったものは存在そのものが曖昧となり、やがて社会の秩序は静かに崩れ始める。
言語学者である主人公は、不可解な殺人事件をきっかけに、この異常現象の背後に潜む恐るべき真実へと足を踏み入れる。失われた言葉は戻らず、人々の記憶は少しずつ侵食され、世界は音もなく姿を変えていく。
「名前」が消えたとき、人は何を失うのか。そして、言葉によって成り立つ世界は、どこまで崩壊してしまうのか。
言葉と存在の関係を鋭く描き出す、新感覚の言語崩壊ミステリー。