あらすじ
王国最強と謳われた「蒼銀の獅子騎士団」。
その若き団長バトラスには、信頼する仲間たちと、結婚を約束した治癒術師ミリアムがいた。
「この任務が終わったら、一緒になろう」
ささやかな未来を信じて向かった辺境の村で、彼らは伝説の英雄――剣の侯爵アスモデウスと遭遇する。
その日、バトラスはすべてを失った。
仲間も、愛する女性も、帰る場所も。
残されたのは、復讐だけだった。
傷つき、各地を彷徨うバトラスは、ある酒場で奇妙な御伽話を耳にする。
深い霧に閉ざされた森。
決して辿り着けない館。
そして、そこに棲むという美しき魔女。
霧の奥で彼を待っていた魔女リリスは、復讐を果たすための力と引き換えに、ある契約を持ちかける。
それは、後にバトラスを「重剣のケルベロス」へと変える契りだった。
復讐に生きる騎士と、死を夢見る不死の魔女。
二人の出会いが、英雄と魔女に隠された世界の真実を暴いていく。
これは、すべてを失った男が再び生きる理由を見つける物語。
そして、永遠を生きる魔女が、死ではなく生を望んでしまうまでの物語。