あらすじ
人は知らない。
この世界の裏側で、今なお終わることのない戦いが続いていることを。
古来より、人に災いをもたらす存在――妖。
そして、その妖を討ち、人々を守り続けてきた者たち――退魔師。
退魔師の中でも、札や式神、結界を操る陰陽師は長きにわたり妖と戦い、その技術は現代まで受け継がれてきた。
だが、その歴史には語られることのない、もう一つの一族が存在した。
妖を討ち、その力を己が力として受け継ぐ禁忌の秘術――妖魂継承。
その力を受け継いだ最強の退魔師一族。
月島一族。
ある事件を境に、一族は歴史から姿を消した。
滅びたとされ、その名は語られることすらなくなった。
そして時は流れ、現代。
人々は妖を伝説と笑い、退魔師の存在を知らないまま平和な日常を送っている。
しかしその裏では、妖たちは静かに勢力を広げ、各地で不可解な事件が相次いでいた。
誰にも知られることなく始まる、新たな災厄。
それを止めることができる者は、ただ一人。
自らが何者であるかも知らず、普通の高校生活を送る一人の少年。
佐藤雄也。
いや――。
それは、仮初めの名。
彼の本当の名は、
月島雄也。
これは、月と陽、二つの血が紡ぐ退魔の物語。
『月と陽の退魔伝』――ここに開幕。