あらすじ
魔法は単なる迷信であり、災いをもたらす呪い――それが絶対の常識となった王国。
時の王は「奇跡を使う者を即座に排除せよ。従う者には莫大な懸賞金を授ける」という過激な布告を発令した。
このお触れをきっかけに、国中には疑心暗鬼と人間不信の嵐が吹き荒れた。
魔力など持たない無力な民衆同士が、私利私欲や互いへの猜疑心から「あいつは魔道士かもしれない」と密告し合い、血を流す殺戮の日常が当たり前になってから40年の月日が流れる。
そんな地獄のような狂気に満ちた世界で、一人の美しい少年が産声を上げた。
彼はまだ知らない。
自らの小さくも強大な魂に、この国で最も忌み嫌われる「本物の魔力が宿っていること」を──。
狂った世界に舞い降りた禁断の存在は、破滅の引き金となるか、それとも闇を照らす希望となるのか。
魔道士絶滅の国を舞台に、少年の一命を賭した過酷な運命の歯車が、いま静かに回り始める。