あらすじ

横領犯と名指しされた会計係の私は、大勢の前で一言も弁明しませんでした。ただ、帳簿を一枚だけ卓に置いて部屋を出た——それだけです。その一枚の日付は、告発したご本人が別の場所で署名した出納記録と、どうしても両立しません。数字は嘘をつきません。嘘をつくのは、いつも人のほうです。残された方々が矛盾に気づいて追いかけてきた時、私はもう振り返りませんでした。声を上げない断罪返しと、静かな去り際の短編です。

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小説を読もう2026/07/22
  • 現在の作品「盗人め」と告げた上役が、私の置いた帳簿一枚を見て、二度と私の名を口にしなくなった件