あらすじ

刺繍の出来映えは、いつも妹の名前で語られてきた。 その針を実際に動かしていたのは、いつも姉のほうだった。 家族のためだから、と言われれば、そういうものかと思ってきた。 礼を言われたことは、数えるほどしかない。 けれど今度の舞台は、これまでとは違う。 王室が主催する、大きな披露の場だった。 確かな目を持つ人間が、大勢その場に集まる。 エルシーは、いつものように手を貸すべきか迷っていた。 積み重ねてきた技術には、他の誰にも出せない癖がある。 その癖は、隠しても消えるものではない。 エルシーが静かに決めたことは、まだ誰にも知られていない。 針を持つ手は、今度も動くのだろうか。 それとも、もう動かないのだろうか。

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小説を読もう2026/07/22
  • 現在の作品継母が私の刺繍を義妹の作品だと偽って披露会に出した結果、真実が明らかになりました