あらすじ
「生野先輩、誰とでも寝るって、本当ですか。」
校内で一番利用者が少ない、校舎の裏手の喫煙所だった。じめじめと日が陰って薄暗く、煙草の臭いの他に、湿った土の匂いがした。それでもそこには、生野先輩と僕の他にも、ふたり利用者がいた。
生野先輩は、だるそうな姿勢で灰皿のすぐ横に立っていて、残るふたりは友達同士みたいで、こちらに背中を向けてなにか喋っていた。
けれど僕の声が大きすぎたせいで、そのふたりは肩越しに僕と生野先輩を見た。それから顔を見合わせて、気抜けしたような感じで、ああ、生野ね、と言い合った。