あらすじ
鈴木彰人(すずきあきと)の履歴書は、どこに出しても完璧な輝きを放っている。
関西にある、全国屈指の超難関私立中高一貫の男子校を卒業。
東都大学法学部へ現役合格。
在学中に司法試験をトップクラスの成績で一発合格。
国内最大手の法律事務所に入社。
二十代後半で、日本の経済を動かす大手エネルギー商社『フォックス』の法務部へ出向。
三十代前半で独立し、自身の法律事務所を設立。
非の打ち所が履歴書ない。
まさに、時代の最先端を走るエリートの最高峰。
――しかし。
その華やかな経歴書の最下段には、世間が知れば目を剥くような、たった一行の「秘密」が隠されていた。
『三十五歳――恋愛、未経験』
それは、履歴書には絶対にかけない、彼が人生のすべてを効率と合理性に捧げてきた結果の、必然的な「代償」だった。
不器用なエリート弁護士の初恋物語。