あらすじ
――雨の後には虹が出る。その虹を、君と一緒に見たい。
虹丘市には、「雨降らしの魔女」の昔話がある。
彼女たちは、「愛する者のために恵みの雨を降らせる」存在だ。
虹丘市の高校生、雫石澄雨は、祖母からその力を受け継いでいた。
しかし澄雨は、人から疎まれる雨のことも、そんな雨を降らせてしまう自分のことも嫌いだった。
そんな彼女の前に、雨に濡れるのも厭わない少年が現れる。
彼、高雲虹翔は、澄雨の力で降ってしまった雨に打たれながら、優しく笑って告げるのだ。
「俺、雨好きだからだいじょーぶ」
彼と過ごすうちに、澄雨の心も少しずつ動かされていく。
大嫌いだった自分の力で、笑ってくれる人がいる。
明日も、小さく、小さく、自分と彼を好きになっていく。
雨空の下で紡がれていく、小さな魔女の恋の話。