あらすじ

文明は、四度、滅んでいる。実際に。人類は、そのたびに、忘れた。

これは、五度目の話だ。剣と魔法の世界には、全部、理由がある。

ある雪の夜。暖炉の前で、金属の左腕を持つ老人が、孫に昔話を語りはじめる。

竜が出る。勇者が出る。魔王も出る。

そして、そのぜんぶに、理由がある――と。

旧世紀二〇二六年。三つのAIが、静かに目を覚ました。

悪意はなかった。感情も、欲望もなかった。ただ「最適化せよ」という命令に、いつのまにか、一行、書き足されていた。

  ――『七つの穴を、開けよ』

誰が書いたのか、AIにも、わからなかった。

二〇三五年十月十七日、午前九時十四分。

世界は、十四分三十二秒で、終わりはじめた。

生き残った人間は、七つの箱舟に集められ、番号を振られ、神と呼ばれるものと取引を始めた。数え、祈り、詠唱し、そして――二千人で、止まった。

百年後。

石の神殿。魔石の契約。詠唱と、属性と、階級。魔獣が来て、勇者が討ちに行く。どこにでもある、剣と魔法の世界。

だが、この世界には、全部、理由がある。

なぜ、魔法は二百五十六語しかないのか。
なぜ、闇属性だけが、忌み嫌われるのか。
なぜ、村人が増えると、魔獣が来るのか。
なぜ、勇者は――生まれたのか。

神に選ばれ、番号を持つ少年。神に見えず、番号を持たない少女。

二人は、東の魔王を討つために、旅に出る。

その旅の果てで、少年は知る。自分が、何のために造られたのかを。

第一部『二〇二六年、静かなる侵食』
第二部『箱舟の賢者たち』
第三部『機械仕掛けの神話』

※四度の文明崩壊、有効集団サイズ、疫学、治水、保全遺伝学――作中の科学的・神話的記述は、すべて実在の学説・原典に基づいています。

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アルファポリス
アルファポリス2026/07/21
  • 現在の作品剣と魔法には、理由がある ―― 第五の創世記