あらすじ
現代日本。突如世界各地に出現した「ダンジョン」は、人々に富と力、そして未知の病をもたらした。
しがないブラック企業のサラリーマン・糸井 紡(いとい つむぐ)は、ダンジョン由来の奇病に倒れた最愛の妹を救うため、莫大な治療費と万能薬を求めて一念発起。命懸けで探索者(シーカー)となるための適性検査に挑む。
血のにじむような努力の末、彼が目覚めたのは超希少かつ強力な固有ジョブ【職業:蜘蛛使い(アラクノマスター)】だった。
妹を救える!と喜んだのも束の間、紡にはある致命的な問題があった。彼は、足がいっぱいある生き物を直視しただけで泡を吹いて倒れるレベルの「重度の蜘蛛恐怖症(アラクノフォビア)」だったのだ。
目の前に現れた最初のテイムモンスター(巨大毒蜘蛛)にSAN値を直葬されかけた紡だが、奇跡的にジョブの隠しスキル『視覚情報偽装(ファンシー・フィルター)』を発見。
蜘蛛たちの見た目を「丸っこくて可愛いもふもふのぬいぐるみ」に強制変換することで、なんとか自我を保つことに成功する。
「よし、これならいける!……いや待て、これ中身は多脚モンスターなんだよな!? ギャアアアア(発狂)」
見た目はファンシーなぬいぐるみ、しかし放つのは猛毒と粘糸と凶悪な顎(物理)。
恐怖で常に白目を剥き、発狂スレスレでダンジョンを突き進む紡だが、本人の意思とは裏腹に強力な蜘蛛型モンスターを次々とテイム。
ついには次元を超えて「蜘蛛女神の加護」まで授かってしまい、気づけば界隈から「狂気の天才テイマー」「蜘蛛の王」として崇められるトップ探索者へと駆け上がっていくのだった。
果たして紡の正気度(SAN値)が尽きるのが先か、妹を救うのが先か!?
涙と絶叫とファンシー(?)な蜘蛛たちが織りなす、命懸けの冒険が今始まる!