あらすじ
アルスード王国の第一王子、アルノルド・アルスード。
容姿よし、頭脳よし、剣術よし、人格よし。
誰もが「完璧な王太子殿下」と称賛する彼には、たった一つだけ――致命的な欠点があった。
好きな相手を前にすると、本心とは真逆の言葉を口にしてしまうのだ。
婚約者候補である侯爵令嬢ナリアを心から愛しているにもかかわらず、会えば必ず「嫌いだ」「目の前から消えろ」と暴言ばかり。
本人は毎回部屋で反省し、鏡の前で笑顔の練習をし、何百回も「今日は素直に話す」と自分に言い聞かせるものの、結果はいつも大失敗。
そんなある日、試験帰りに迷い犬を追いかけていた伯爵令嬢マリア・ルイートは、偶然にも王太子の秘密を知ってしまう。
さらに絶望した王太子が池に落ちる瞬間まで目撃してしまい、気づけば恋愛相談役を頼まれることに。
「殿下、まずは悪態をつくのをやめましょう。」
「わ、分かっています! でも口が勝手に……!」
「では次は笑顔です。」
「笑おうとすると顔が引きつります……。」
「重症ですね。」
こうして始まったのは、学園一優秀な伯爵令嬢による、史上最も残念な王太子の恋愛更生計画。
しかし、恋愛はそう簡単にはいかない。
毎回暴言を吐いては落ち込み、奇声を上げては反省し、時には池へ落ち、時には壁に頭をぶつけながらも、少しずつ「好き」を伝えられるよう努力する王太子。
そんな彼を見守るうちに、マリアもまた、王族だからではない、一人の不器用で優しい青年としてのアルノルドを知っていく。
果たして王太子は、大好きな令嬢へ「嫌い」ではなく「好き」と伝えられる日は来るのか。
これは、恋をすると世界一不器用になってしまう残念王子と、容赦ないツッコミで彼を鍛え上げる伯爵令嬢が織りなす、じれったくて笑えて、ときどき胸が熱くなる学園王宮ラブコメディ。