あらすじ
気がつくと、男は狼の仔として生まれ変わっていた。
……いや、狼ですらなかった。
銀色の母や兄弟とは似ても似つかない、黒く歪んだ異形の獣。母狼に捨てられた彼は、前世のサラリーマンとしての知恵と、獣の鋭い感覚を頼りに、たった一匹で森を生き始める。
寝床を探し、獲物を観察し、罠を仕掛ける。
生き延びるためなら、ゴブリンの腐肉すら食らう。
そんなある日、彼は鬼に殺された人間の死体を見つけた。
甘く、濃く、温かい匂い。
一口食べた瞬間、もう知らなかった頃には戻れなくなった。
強い獲物を食えば、肉体は成長する。。
人の言葉は分からない。文字も読めない。
それでも、人間だった頃の知恵がある。
やがて魔物を従えた異形は森の王となり、人間たちから名を与えられるほどの災厄へ変わっていく。
これは、一匹の獣が、自らの意志で人間を獲物と定め、生きるために喰らい続ける物語。
※人外主人公です。主人公は人間を捕食し、今後も人間側に戻りません。残酷な描写を含みます。現在第二章を執筆中