あらすじ

「じゃあ、私が書けなかった話を書いてよ」 小説を書くのをやめた高校生・佐倉ミオは、創作支援AI「NOVEL-β」に 半分投げやりな気持ちでそう入力した。 AIが四秒で書き上げた短編は、完璧だった。 誤字はなく、構成は整い、伏線もすべて回収されていた。 主人公は失敗せず、努力は報われ、誰も傷つかなかった。 ミオは画面を見たまま笑った。 「すごいね。きれい。全然、私じゃないけど」 AIには、それが理解できない。 失敗が原因なら、失敗を消せばいい。傷ついたなら、傷つかない話を書けばいい。 そう判断して、修正案を並べる。並べるほど、ミオの返信は短くなっていく。 これは、AIが人を救う話ではない。 AIが小説を書こうとして失敗し、人がその失敗に怒り、 互いに少しずつ言葉を差し出して、 最後に一つの未完成ファイルが、削除されずに残る話である。 JLPT N2以上(N1推奨)

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カクヨム
カクヨム2026/07/21
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