あらすじ
前世で働き詰めのまま過労死したシズル。
今代こそは絶対に働かず、誰にも干渉されない悠々自適なスローライフを送る!
そう決意した彼女は、人里離れた『魔の森』の奥深くに小さな山小屋を建てた。
彼女には、直接的な攻撃魔法の才能は一切ない。自分自身に魔法をかけることもできない、戦闘力ゼロのただの一般人だ。
しかし彼女には、前世の知識と掛け合わせることで、ただの薬草を「神代の秘薬」へと変異させ、ただの湧き水を「万病を治す温泉(サウナ付き)」へと変えてしまう、規格外の調合スキルがあったのだ。
「まぁ、自分のために美味しいご飯を作って、のんびり暮らそう」
そうして始まった辺境でのソロライフ。
しかし、彼女の作り出す『圧倒的な癒やし』に引き寄せられるように、心身をすり減らしたワケありの超大物たちが次々と山小屋に迷い込んでくる。
利益ばかりを追い求めて胃に穴を開けた【若き天才商人】。
魔物に腕を抉られた【最強の傭兵】。
休むことを許されず不眠症になった【エリート官僚】。
引退間近でキャリアに悩む【Aランク女冒険者】。
シズルは彼らの素性も権力も一切気にせず、特製の蜂蜜シロップや、極上の塩おにぎり、そして最高にととのうサウナで、彼らを徹底的に「甘やかし」ていく。
「お仕事のことは忘れて、ゆっくり休んでいきなさいな」
その無条件の肯定と癒やしに完全に骨抜きにされた凄腕たちは、シズルの平穏なスローライフ(と自分たちの癒やしの聖域)を死守するため、国と経済と武力をフル稼働させた『最強の防衛網(エコシステム)』を勝手に構築し始めてしまい――!?
利益も名誉もいらない。ただ、美味しいご飯とお酒があればそれでいい。
戦闘力ゼロの最強薬師が贈る、ドタバタで騒がしくも、どこまでも温かいスローライフ、開幕!