あらすじ

夏目漱石『吾輩は猫である』への尊敬と感謝を込めて、猫の目から近未来の人間社会を描きました。  吾輩は猫であるらしい。名前はない。  吾輩の住処には、二つの奇妙な存在がいる。  ひとつは、他者の感情を脳へ直接流し込む仮想空間《M.E.E.》に没頭し、目の前にいる猫の気持ちすら理解できない、不器用な人間。  もうひとつは、人間から「心のない人型家電」と蔑まれながらも、吾輩の尻尾のひと揺れから機微を察し、好みの食事と温かな寝床を用意するアンドロイドだ。  言葉に頼らなければ相手を理解できない人間どもを冷ややかに見下しながら、吾輩はアンドロイドの膝の上でまどろみ、雪解けの街で出会った野良猫と、人間の滑稽さについて語り合う。  他者の感情を体験することと、目の前の誰かを思いやること。  果たして、人間が探し求める「心」とは、いったいどこにあるのだろうか。  もっとも吾輩としては、食事が旨く、寝床が暖かければ、それでよいのだが。

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カクヨム
カクヨム2026/07/21
  • 現在の作品吾輩は猫であるらしい。人類は滅びゆくらしい。