あらすじ
三週間前、私は王子との婚約を「解約」した。世間が言うような「婚約破棄された令嬢」ではない。そこは強く主張したい。
そして今、期限一年の偽装婚約者として、北の辺境に向かっている。
相手は社交界で「氷刃卿」と呼ばれる辺境伯。契約条件は良好、領地の帳簿は焦げ付き放題。実に楽しみだ。
ただ一つ、彼が付け足した第七条を除いて。
『いずれの当事者も、契約期間中に相手方へ本気の恋愛感情を告白してはならない』
——私の力【誓約】は、交わした契約を絶対に破れない鎖に変える。この条項が本物の呪いになったと知っているのは、世界で私だけ。
契約と帳簿と、言えなくなった気持ちの話。短編『婚約破棄は受理できません』の連載版です(未読でも第1話から読めます)。