あらすじ
達観と諦念だけを感情の拠り所にしてきた男子生徒・凪野透(なぎの とおる)は、感情で現れる情動体(エモノ)が驚くほど弱いという理由で、平穏な学校生活を送っていた。だが、クラスの感情値が低迷し、設備剥奪の危機に陥ったことで、透は否応なくクラスメイトたちの「本気の感情」を引き出す役回りを任されることになる。完璧主義ゆえに人前で恥をかくことを何より恐れるが、恥をかいた瞬間だけ桁外れの情動体を出す少女、怒れば怒るほど無敵になるが人間関係を犠牲にしていく少女、見栄を張るたびに強くなるが必ず後で自爆する男子――そして、透自身の「達観」の底に隠された、本当の感情の正体。クラスの存続をかけて、今日も誰かが「本気」にさせられる。