あらすじ
舞台は、近未来の日本。
地球の空には、約八十年前に突如現れた、「神様」と呼ばれる、巨大な機械仕掛けの存在が浮かんでいる。
その影響で、世界中の技術は急速に発展した。
人々の生活には、埋め込まれたチップや、アンドロイド、ホログラムなど、
神から発する電波信号を活用した最新技術が、深く根付いていた。
空の色は、青ではなく白。
それが、現代社会の常識となっていた。
主人公・南雲ナナは、そういった最先端の技術とは無縁の暮らしをする、ごく普通の高校生二年生。
ある日、ナナは、近所のゴミ捨て場で、記憶を持たない不思議な女性を拾う。
幼い言葉遣いで、かつ、記憶喪失だというその女性を、アイリと名付け、家に匿うことになってしまう。
アイリの胸元には、ハートと錠前を組み合わせたような、見慣れない模様があった。
後日ナナは、その模様が、神様から落下した部品——通称、遺物と、全く同じであることを知る。
遺物の模様を持つ者は、自身の身体を、一つの道具へと変えることができた。
傘へ変身したアイリの身体には、「願いが叶う」という、甘い文言が書かれていたのだった。
そして、遺物の模様を持つ者と、その使い手たちは、二人の他にも存在していた。
時には味方として……時には敵として、彼女たちは、ナナとアイリの前に立ちはだかる。
誰も傷つけたくない。
そんな思いを胸に秘めながら、ナナは、非日常へと巻き込まれていく。