あらすじ
プロの殺し屋として完璧なロジックと美学を持つ男・ブラーボ。彼には「仕事の前には絶対にナマモノを口にしない」という厳格なコードがあった。
かつて、引き金に指をかけたコンマ一秒の刹那、前夜に食べた「生牡蠣」のノロウイルスによって内臓を激しく破壊され、ビジネスをしくじりかけたトラウマがあったからだ。
しかし今、ブラーボは正体不明の刺客から命を狙われ、いつ戦闘が始まるか分からない緊張状態に置かれていた。
大好物の生牡蠣、極上レバ刺し、初鰹の誘惑を「致死性の脆弱性(バグ)」として退け続ける極限状態のなか、精神科医の助言に従い、新しく己の人生に割り込んできた未知の存在――鏡面磨きのエドワード・グリーンを履いた謎の青年・堂安、そして冷徹な品格を漂わせる女料理人・小夜の待つ小料理屋へとダイブする。
目の前に出される「熱の通っていない有機質」と、突きつけられる死線。見えない銃口と胃袋の限界が交錯するなか、ブラーボが選んだ究極の「回答」とは――?