あらすじ

「傷つく前に、何も言わずに終わらせるのが、一番綺麗なんだよ」 クラスの真ん中で年中無休で鳴り響く、乾智也と小野寺咲優の眩しすぎる恋の音。 けれどその一方で、窓際の席には、お互いの未来を縛らないために、静かに「嘘」を結んで離れていく不器用な並行線があった。 教室を支配していく、あまりにも大人びた、冷徹なまでの諦念の空気。 その氷点下の同調圧力を静かに吸い込んでしまった、藤代詩乃。 感受性が強く、誰よりも傷つくのを恐れる彼女は、スマホの画面を見つめながら、自ら進んで心を凍らせていく。 受験を控えたこの時期に、傷つけ合うような恋をするなんて間違っている。 冴木郁斗の不器用な優しさにこれ以上甘えて、すべてが壊れてしまうくらいなら――。 これは、教室の打算に押し潰され、現状維持という名の「自滅」を選択した二人の物語。 するりと解けるもやい結びの嘘が、繊細な二人の距離を、無かったことにしていく。 ――好きって言えない。ううん、言えないままで、いい。

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カクヨム
カクヨム2026/07/20
  • 現在の作品好きって言えない…ままでいい。