あらすじ

十九歳でアルバトール王国の王となったレオンの望みは、決して大きなものではなかった。 命を狙われず、ほどほどに働き、美味しいものを食べて、昼寝のできる静かな暮らし。 王になれば、そんな日々が待っている――そう思っていた時期もあった。 だが、周囲の者たちはレオンを休ませてはくれなかった。 彼の何気ない言葉に深い意図を見いだし、勝手に話を大きくしては奔走していく。 寝ている間くらい安全にしてほしいと言えば、王宮の警備体制が見直される。 魔獣の世話が大変だと漏らせば、黒狼や大魔猪、浄化スライムたちが、警備や開墾、衛生改善にまで駆り出される。 レオンはただ、後で起きる面倒を減らしたいだけだったのに……。 だが、危険の芽を早めに摘み、誰も無駄に傷つけない道を選ぶ彼の判断は、弱小だった王国を少しずつ変えていく。 そしてレオンの知らないところで、若き王と彼に従う魔獣たちの噂は、国境の向こうにまで広がり始めていた。 「頼むから、少しくらい休ませてくれないかな……」 その願いとは裏腹に、若き王の名は、彼が想像もしなかった形で世界に刻まれていく。

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カクヨム
カクヨム2026/07/20
  • 現在の作品賢王と呼ばれた僕が、魔王と恐れられるまで ~ただ、ほどほどに国を治めたかっただけなのに~