あらすじ
冒険者ライルの元に舞い込んだ、少し変わった依頼。
依頼人は、恋人の浮気を調べてほしいという男だった。
しかし話を聞くうちに、ライルはある違和感に気付く。
彼女と会えるのは、冬の間だけ。
遠く離れた場所で暮らす二人は、五年間、手紙を交わしながら愛を育んできたという。
浮気を疑う理由などないほど、彼女の想いは真っ直ぐだった。
それでも男は不安だった。
近いうちに、彼女へプロポーズをするつもりだから。
調査のため、ライルは彼女が所属する劇団の公演を訪れる。
そこで出会ったのは、冬の精霊のような歌声を持つ歌姫アナ。
だが、調べれば調べるほど疑問は深まっていく。
なぜ彼女は冬にしか、この街へ戻ってこないのか。
なぜ劇団は、五年前から同じ場所で冬の公演を続けているのか。
そして、偶然出会ったアナ本人が語った言葉とは――。
これは浮気を暴く物語ではない。
離れていても相手を想う二人が、
本当に大切なものを選ぶための物語。
冬が二人を別つのか。
それとも、二人を繋ぎ続けるのか。
答えを出すのは、探偵でも冒険者でもない。
愛し合う二人自身だ。