あらすじ

千葉の海に面した小さな岩場で、少年は毎年夏になると一匹の“大きなカレイ”を追い続けていた。 潮が引くと姿を現すそのカレイは、岩に溶け込むように動かず、まるで海底の守り神のように見えた。 五歳の夏から十二歳になるまで、少年はその場所へ通い続ける。 ある年、地元の少女が現れ、少年の手を引いて海へ誘う。 「少し潜れば、すぐだよ」 少女の囁きに導かれた先には、鯛やヒラメが光の中で舞い踊る、美しくも異様な世界が広がっていた。 だが、気づけば足の届かない深み。 少年は恐怖に駆られ、少女の手を振りほどいて岩場へ逃げ帰る。 少女は海の中に消えた。 十二歳の夏、少年は再びその場所を訪れる。 しかしそこには水がなく、干上がったタイルの底に“カレイの絵”が乾いて貼りついていた。 すべては、かつての海洋レジャープールの残骸だったのだ。

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小説を読もう2026/07/21
  • 現在の作品白浜のカレイ