あらすじ
日常の崩壊は、あまりにも静かに、そして残酷に訪れた。
県立高校に通う神代悠真(かみしろ ゆうま)は、クラスのどのグループにも所属せず、いつも窓際の席で寝てばかりいる「影の薄い男子生徒」。しかし彼は、高い観察力と卓越したサバイバル知識を隠し持つ少年だった。
2泊3日の山奥での課外講習中、突如として周囲を襲った「謎の濃霧」。
霧が晴れたとき、そこは地球ではない未知の「巨大原生林」狂暴な魔獣が蠢く異世界だった。
その日の深夜、ログハウスを襲った圧倒的な魔物の群れ。
頼れる教師『佐伯恒一』と前衛に立った生徒たちの死闘も虚しく、頑丈なログハウスは砕かれ、阿鼻叫喚の惨劇の中、クラスメイトの約半数が無残に命を落とすという絶望的な事態に陥ってしまう。
生徒たちを守るため、狂戦士となって森の奥へ突進し姿を消した佐伯先生。
生き残ったのは、幼馴染の学級委員長「桜庭美咲」、一匹狼の不良「神崎蓮」を含むわずか20人。
生き残るために滑り込んだ狭い洞窟の中、絶望に打ちひしがれる生存者たち。
だが、窓際の幽霊だった悠真の瞳に、覚醒したチートスキル【超越者】の光が灯る。
「泣くのは後だ。生き残るために俺の指示に従え」
悠真は自身の力で仲間たちの秘められた「適性」を見抜き、的確な役割を与えていく。
悠真の知略と冷徹な優しさに応えるように、生存者20人は一人、また一人と、それぞれの「経験」と「執念」を糧に固有のスキルへと目覚めていくのだった。
最奥の魔獣との死闘を制し、ついに洞窟を脱出した一行の前に広がっていたのは荒れ果てた荒野。
やがて彼らは、王国最強の騎士・エドガーが治める「アルヴェイン辺境伯領」へと辿り着く。
そこには、一族に代々伝わる予言『黒髪の伝承』が眠っていた。
「黒き髪、黒き瞳の異邦人が現れし時、その先頭に立つのは万を見渡す若き導き手――」
産業改革、温泉街の開発、襲い来る野盗や魔物のスタンピード。
やがて彼らは、王国史に残る大波へと巻き込まれていく。