あらすじ
幼い頃、両親を失った長瀬翼は、妹・長瀬ゆきと共に親戚である叔父夫婦に引き取られる。\n\nそこで翼を待っていたのは、「長男」という役割だった。\n\n「長男なんだから」\n「誰よりも立派でいなさい」\n「完璧な存在でいなければならない」\n\nそう言われ続けた翼は、いつしか失敗することも、弱さを見せることも許されない人間になっていった。\n\n誰から見ても完璧な兄。\n誰から見ても理想的な存在。\n\nけれど、その裏側で翼は、“長男”という名の鎖に縛られていた。\n\n一方、妹のゆきは兄と比べられ続け、自分の存在に自信を持てなくなっていく。\n\nそして17歳のある日。\n\nゆきは突然、姿を消した。\n\n残された翼の心に刻まれたのは、後悔だった。\n\n守ると誓った妹を守れなかったこと。\n幼い頃、自分がつけてしまった傷跡を消せないこと。\n\nそれから12年。\n\n翼は失踪した妹を探すため、叔父夫婦の反対を押し切り、警察官となる。\n\n追い続けるのは、闇に潜む犯罪組織。\n\nその先に待つものとは何なのか。\n\nこれは、完璧であることを求められた一人の青年が、\n失われた絆と向き合う物語。\n\n「長男」という鎖を背負った男が、\nもう一度、大切なものを取り戻すために歩む――。\n\nこれは、絆と喪失が生み出す物語。