あらすじ
筑波大学三年生の夏子は、幼なじみで恋人の大介と同棲している。
先日、長年付き合ってきた大介からプロポーズされ、左手の薬指には婚約指輪が輝いていた。
幸せを噛みしめながら指輪を眺めるたび、夏子は大介と過ごしてきた日々を思い出す。
二人が出会ったのは小学一年生。
「かわいいね。何て名前?」
突然そう話しかけてきた大介を、当時の夏子はうっとうしいと思っていた。
夏子が好きだったのは、足が速くて格好いい別の男の子。
何度冷たくしても話しかけてきて、一緒に帰ろうとする大介のことなど、好きになるはずがなかった。
それなのに、いつから彼は自分にとって、誰よりも大切な人になったのだろう。
不器用なすれ違い。
言えなかった本音。
嫉妬や後悔。
そして、何度離れそうになっても途切れなかった二人の縁。
これは、初恋ではなかった幼なじみが、やがて生涯を共にする相手になるまでの物語。
婚約した二十一歳の夏子が、大介との十五年間を振り返る、一話完結型の青春恋愛小説。