あらすじ

空中都市パルテノンと地底都市ヴェーア。 その二層世界を支えるエネルギー機関「一号機」を設計した技師・高城陸は、五年前、妹を救うために下層の命を“燃料”として差し出す契約に署名した。 その罪は彼の右腕を悔鉱の呪いへと変質させ、都市の崩壊と共に彼自身を蝕んでいく。 忘却局の捜査官・敷島徹は、陸を追ううちに都市の真実──下層民の絶望を抽出し続ける巨大な欺瞞の心臓──を目撃し、正義と使命の境界を失っていく。 二人は敵であり、同時に互いの罪と後悔を照らし合う唯一の存在となる。 やがて陸は、自らが設計した地獄の中心で、信じ難い事実を知る。 都市を止めれば四百万人が死ぬ。 都市を生かせば下層民が永遠に燃やされ続ける。 選択肢はどちらも地獄だった。 崩壊する空中都市。 迫る終焉の中で、陸は自らの異能「灰色の拒絶」を都市の骨格へと打ち込み、落下する世界そのものを“固定”する決断を下す。 その代償は──自らが永遠の灰色の柱となり、都市を支え続けることだった。 これは、罪を背負った男が最後に選んだ「祈り」の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/20
  • 現在の作品地底(そこ)に眠るは、剥き出しの罪