あらすじ
ダンジョン出現から10年。探索者が花形職業となった現代日本で、佐伯誠(32)は普通の会社員をしながら、有給休暇だけでダンジョンに潜っている。
専業探索者が1ヶ月かける階層を、佐伯は2泊3日で抜ける。理由は単純、月曜に出社しないといけないからだ。
寄り道はしない。レアドロップ狙いの周回もしない。安全マージンは工程表で管理し、戦闘は「工数」で考える。前世から染みついた……ではなく、ただの社会人スキルで、佐伯は誰よりも効率的にダンジョンを攻略していく。
「え、47階層まで行った? 有給5日で? 嘘でしょ?」
攻略クランからのスカウトは全部断る。「フルタイム探索者になれば年収10倍ですよ!?」——嫌だよ、探索者に労基ないだろ。
だが未踏破階層の攻略者として名前が知れ渡り、国からの指名依頼、大氾濫、そして「ダンジョンの最深部には、現代社会が抱えるある問題の答えがある」という噂が、佐伯の定時退社を脅かし始める。
これは、残業を憎む男が、世界で一番効率よくダンジョンを終わらせる話。