あらすじ
七月一日、片瀬東浜。
高校二年生の七瀬夏実は、江ノ島の海の家「夕凪」で、初めての夏バイトを始めた。
潮の匂い、焼きそば、かき氷、ラムネ、サンオイル。
夏だけの場所で出会ったのは、同じ高校の佐倉陽太だった。
学校ではほとんど話したことのない彼。
けれど海の家では、毎日顔を合わせる。
重い氷を運ぶ姿。
さりげなくスポーツドリンクを渡してくれる優しさ。
夕方の西浜で見た横顔。
気づけば夏実の中で、陽太はただの同級生ではなくなっていた。
けれど、好きだとは言えない。
言ってしまえば、この距離が壊れてしまうかもしれないから。
七月一日から八月三十一日まで。
江ノ島の海の家で過ごす、眩しくて、少し切ない、ひと夏の青春恋愛。
この夏が終わる前に、私は君に好きと言えるのだろうか。