あらすじ
「――そろそろかとは思っていたけれど。本当に生まれてしまったのね」
時は20XX年。雪代(ゆきしろ)家に生まれた男女の双子。
跡取りとして溺愛される兄・時矢(ときや)とは裏腹に、妹の時乃(ときの)は親から冷遇され、寂しい日々を過ごしていた。
そして迎えた16歳の誕生日。
決定的な格差の扱いに耐えかね、家を飛び出した時乃は、亡き祖父の形見である「古い懐中時計」を握りしめ、近くの刻ノ神社へと駆け込む。
「おじいちゃん、私をどこか遠くへ連れて行って――!」
切なる願いに応えるように現れたのは、時を司る神・刻ノ尊(トキノミコト)。
彼女は、かつて時乃の祖父と交わした『ある二つの約束』を果たすため、時乃に「時間を止める力」を授け、鬼の暮らす和風異世界へと彼女を送り出す。
しかし、辿り着いた異世界で時乃を待ち受けていたのは、圧倒的な権力を持つ八咫(やた)家の冷徹な若き当主・八咫煌牙(やた こうが)だった。
不審者として刀を突きつけられ、大ピンチの時乃。その時、敵の刺客が急襲し――
カチリ、と世界の時間が完全に停止する。
「私の時間の中では、誰も私を傷つけられない」
実家で虐げられていた少女が、祖父の遺した懐中時計と共に異世界で無双する!
さらに、最初は冷徹だった煌牙が、時乃の強さと哀しい過去を知るうちに、世界を敵に回すほどの「一途な執着(深い愛)」を見せ始めて・・・!?
一方、現代世界では、消えた妹を探す兄・時矢の背後に、不穏な影が忍び寄っていた。
神と人間が交わした千年の呪縛と【二つの約束】。
運命に抗う少女の、時を止める異世界恋愛ファンタジー、開幕!