あらすじ
「勝っても嫉妬され、負けてもバカにされる。なら、最初から競争なんて降りればいい」
かつて勉強でも運動でも1番になりすぎて孤立した天才・一ノ瀬天馬(いちのせてんま)は、高校では完璧な「平均点」をキープする凡人偽装のライフスタイルを完成させていた。
面倒なライバル心も、不毛な承認欲求もいらない。ただ平穏に、人生を「アガリ」たい。
だが、そんな天馬の完璧な防衛計画は、旧校舎の文芸部室で崩れ去る。
そこにいたのは、すべてを見透かすような冷めた目(ジト目)をした一つ上の先輩・御伽律(おとぎりつ)。
「あなたの青春は何色だった? 本当にそれでいいの?」
一瞬で正体を見抜かれ、廃部寸前の文芸部へ強制連行された天馬は、先輩の退屈しのぎのために小説を書く羽目になってしまう。
「後輩の務めとして、テキトーに形にすればいいや」
早く終わらせるため、本来の能力の【3分の1】の力で、ありきたりな表現を繋ぎ合わせて一瞬で書き上げた手抜き小説。
……のはずが、その基礎スペックの高さゆえに、計算し尽くされた規格外の名作が誕生してしまい、学校中に静かな熱狂を巻き起こして――!?
過剰な競争を降りた隠れ天才と、ジト目先輩が紡ぐ、令和の低燃費系・実力隠し無双ラブコメ、開幕。