あらすじ
陸上競技の夢を、裏切りと怪我で断たれた源ボルグ。荒んだ心のまま辿り着いたのは、「乗ると改造人間にされる」バイクショップ「ワールドバイクワークス」だった。
「初期不具合があります」――そう念押しされてなお、俺はサインした。もう失うものなどなかったから。
結果、緑と黒の複眼を持つ改造人間へと変貌したボルグ。バイクには、剣聖・塚原卜伝の魂が封印されていた。「気に入ったぜ、相棒」
――こうして源ボルグは、意志を持つ愛車H&H号と共に、地獄と現世を股にかける戦いへと巻き込まれていく。
親友新治タケシの死。タケの魂を救うため、ボルグは三途の川を越え、閻魔庁の裁きに立ち会い、天狗の誘惑をスルーし、無頼漢地獄からすり鉢・血の池・針の山・畜生・火炎地獄と、八大地獄を巡る羽目になる。
敵は、みな哀れな"社畜"怪人ばかり。選民思想にハマった元エリート、裏切りの武士、成金実業家……地獄なのに「KPI」「生存帰還率」が飛び交う組織運営。地獄もまた、ブラック企業と大差なかった。
[主な登場人物]
**源ボルグ**
主人公。元陸上選手。親友と恋人の裏切り、膝の怪我によって競技生活を断たれ、魔改造単車を手にしたことで改造人間となる。剣聖・塚原卜伝の魂を宿すバイクH&H号と共に、地獄と現世を行き来する。前世は恵心僧都源信とイマニュエル・スヴェーデンボルグ。
**新治タケシ**
ボルグの高校時代からの親友。自宅の火災に巻き込まれ死亡。無念を晴らすため現世に留まり、ボルグと共に八大地獄を巡る。
**死神魔央(しにがみまお)**
ワールドバイクワークス東京支店を率いる死神店長。人体改造・組織支配の思想を掲げる、本作のラスボス。
**神宮寺桃子**
死神魔央の娘。昼は看護師、夜は北関東最大のレディース暴走族「羅刹天女」総長という二重生活を送る。
**塚原卜伝**
剣聖。魂となってH&H号に宿り、ボルグを導く師匠的存在。
**筑波我慢造**
ボルグの幼なじみ。20代で企業グループを一代で築いた経営者。
**戦闘販売員タナカ・ナカタ**
ワールドバイクワークスの現場担当者。
**蜂須賀八男(はちすかはちお)**
挫折したエリート社員が選民思想に共鳴し、魔改造を受けた怪人。
*浅草閻魔大王**
地獄の裁定者。ボルグに霊界往来の力を与える。