あらすじ

「イルゼ・フォン・アーレンス。そなたとの婚約を破棄する」——卒業の夜会。第二王子に断罪される公爵令嬢イルゼは、うろたえない。今夜このとおりに裁かれることを、彼女は三年前から決めていた。アーレンス家は代々、社交界のほころびを一身にかぶり、憎まれ役を引き受ける「盾の家」。イルゼは加護「繕い」で三年間、学園中の綻びを陰で直し、わざと嫌われてきた。断罪されて静かに退場するまでが、円満な幕引きの段取りだった。「——謹んで、お受けいたします」。 けれど、断罪の勢いに乗った令嬢が、イルゼが命がけで守ってきた特待生の出自まで暴きはじめる。守る力を持ちながら、自分の手柄を明かせば繕いが繕いでなくなる——盾の掟に縛られ、イルゼは言葉を飲みこむしかない。その沈黙を破ったのは、窓辺でずっと本を読んでいた、影の薄い第一王子だった。誰の記憶にも残らないその人だけが、三年間、誰にも見られず繕い続けたイルゼを、ずっと見ていた。彼の口から、彼女の三年が明かされていく。そして王子は、片膝をついてこう言った——「今度は、私にあなたを繕わせてほしい」。誰にも見られなかった悪役令嬢が、たった一人に見つけられる、恋の読み切りです。

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小説を読もう2026/07/20
  • 現在の作品悪役令嬢は、円満に断罪されるのがお仕事です 〜のはずが、影の薄い第一王子殿下が、わたしの三年間を全部見ていて求婚してきました〜