あらすじ
「女が選ぶのは悪そうな男ばかり」
「優しい男はいつもバカを見る」
平凡なサラリーマン、佐藤公平は、転生部屋で女神にそう訴えた。
「ならば、優しい男が極端に持ち上げられる世界に、あなたを送ってあげましょう」
そう言われて送り込まれた世界の男女比は、実に1対50000。生まれた瞬間から特別扱いされ続けてきたこの世界の男たちに、「女性に優しくする」という発想は微塵もない。
「ありがとう」「美味しかったよ」「大丈夫?」――日本ではありふれた言葉の数々が、この世界では最強ワードと化して女性の心に突き刺さる。初めて見る「優しい男」に、町の女性たちは夢中になっていく。
――が、そんな状況を男たちが見過ごすわけがない。
やがて、公平のもとに刺客が送り込まれる。
戦闘技術だけを磨き上げてきた男勝りな彼女たちに、公平の「優しさ」は通用するのか――
現世では報われなかった「優しいだけの男」が、男嫌いのツンデレヒロインと、優しさなきクズ男たちとの対決を通じて、「優しさって何だ?」という問いの答えを見つけていく、コメディの中に一滴の真面目なテーマを加えたような物語です。全十五話ほどで完結します。
5話までの登場人物
【佐藤公平】
本作の主人公。身長175cm、やや痩せ型、顔はフツメンのど真ん中。25歳の平凡なサラリーマンだが、恋愛面では底辺寄り。推しの清純派アイドル、マリナとチンピラ風の男との熱愛報道で心を病み、川に飛び込んで死亡(本人は自殺ではないと主張)。その後、女神の計らいによって、男女比1:50000の世界へ転移する。
【ピコ】
公平のパートナーとして異世界に送り込まれた妖精。身長は20cmほどで、背中から透明な羽が四枚生えている。見た目の印象は十代前半の男の子。薄い緑色のツンツンヘアに、背中に穴の開いたタンクトップとハーフパンツを着用している。公平以外の人間には姿が見えず、声も聞こえない。公平とはテレパシーで会話できる。現実主義者で口が悪いが、公平のことは気に入っている様子。本作では主にツッコミを担当。
【女神】
ブロンドのロングヘアにローブを纏った、見た目はコテコテの女神様。営業スマイルの達人で、性格はけっこう黒い。
【マリナ(地球人)】
公平が応援していたアイドル。清純派として売っていたが、その過去は地元で有名な不良娘で、異性関係も激しかった。本名は岸本真里菜。
【マリナ(異世界人)】
本作のヒロイン。21歳の狩人。身長160cm、引き締まった体つき。金色に近い茶髪のロングヘアを、後ろでお団子状にまとめている。瞳は大きめの奥二重で、顔のパーツだけでいえばマリナ(地球人)に似ているが、中身はまったくの別物。女性を見下し、働きもせずゴロゴロしている異世界のクズ男が大嫌いで、公平にはまともな男になって欲しいと思っている。身体能力が規格外に高く、ナイフ一本で巨大な肉食獣を仕留めることができる。
【ハルエ】
マリナ(異世界人)の母。43歳、身長160cmの普通体型。娘よりも濃いめの茶髪を後ろで縛っている。明朗快活な性格の女傑で、町の人々からの信頼も厚い。公平にまともな男になって欲しいと思っているが、マリナほどストレートな感情はぶつけない。実は本作最強の人物で、若い頃は『拳聖』と称されていた。
【BD】
33歳、身長180cm。本名なのか自分で付けた名なのかは不明だが、ブラッディ・デストロイヤーを略してBDと称している。チンピラ丸出しの黒のドレッドヘアに細眉、顎髭を生やしている。公平が最初に降り立った町の周辺一帯を支配する男で、丘の上に建てられた城に住んでいる。極めて粗暴な性格をしており、ちょっとしたことでも烈火のように怒り狂う癇癪持ち。体は大きく筋肉質だが、筋トレしかしていないため、実は大して強くない。
【クラウディア】
26歳、身長170cm。BD親衛隊の隊長で、一般隊員とは比較にならないほどの強さを持っている。幼少の頃から戦闘技術を磨いてきたため、戦うことに誇りを持っている武人タイプ。BDに忠誠を誓っており、彼の命令を絶対的なものだと考えている。