あらすじ
「——お前との婚約は、破棄する」
王子の断罪、聖女への嘲笑、そして三日後の毒殺。すべてを経験して死んだ悪役令嬢ヴィオレッタは、目覚めるとあの忌々しい夜会の壇上に立っていた。神が与えたたった一度の死に戻り。だが今度は、王子に縋るつもりも、聖女を憎むつもりもない。
彼女が狙うのはただ一つ——自分を毒殺した真犯人を、この手で断罪すること。
母から受け継いだ毒物学の知識を武器に、社交界に張り巡らされた陰謀の糸を解きほぐしていくヴィオレッタ。そして彼女は気づく。断罪の場で自分を嘲笑ったはずの聖女セラフィナが、実は教会に囚われた生贄であることに——。
「私、あなたを助けたいの。だから——私の共犯者になってくれる?」
差し伸べられた白い手に、聖女は狂おしいほどの執着で応える。氷の令嬢と堕ちた聖女、二人の女が紡ぐのは復讐か、それとも禁断の愛か。ゴシックの薔薇が咲き誇る廃教会で、断罪の鐘が鳴り響く——。
「一度殺された女を、二度殺せると思って?」