あらすじ
「わたしは赤いさかなになりたい。」
彼女の1LDKには、部屋には少し大きすぎる水槽がある。
水槽に映った横顔を見ながら、彼女は今日も、自分の顔で変えたい場所を指さした。
僕はそのたびに「そんなことない」「きれいだよ」と答えてきた。
それが愛情で、正しい答えだと思っていた。
けれど、彼女が赤いさかなになりたい理由を聞いたとき、僕は初めて、自分の肯定が、彼女の感じてきたことまで否定していたのかもしれないと気づく。
自分の顔を少し変えたい彼女と、今のままの彼女を好きな僕。
水槽の前で交わされる、見つけてもらうことと、愛することについての短編です。
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本作は、佐々木キャロットさん主催の自主企画
「冒頭指定『わたしは赤いさかなになりたい。』(~8/7まで)」
参加作品です。
〈自主企画ページ〉
https://kakuyomu.jp/user_events/2912051604358759719
「わたしは赤いさかなになりたい。」
この言葉から私が連想したのは、赤い金魚でした。
観賞のため、人の手によって、より美しい姿へ変えられてきた金魚。
その金魚は、自分も美しくなりたかったのか。
誰かのために美しくされたのか。
それとも、もとの姿のままでよかったのか。
そんなことを考えながら書いた作品です。