あらすじ
第三部で旧沿岸都市群の海と流域をつなぎ直したリリィたちは、北方高原の旧観測拠点リューネから届いた短い通信を受け取る。
「季節の水が、戻ってこない」
北方高原では、本来なら雪解け水が草地や湿原を潤し、川となって下流へ流れるはずだった。
しかし、雪解けは途中で途切れ、貯水池の水は一晩で消え、湿原は乾き始めていた。
さらに、乾いた川底へ突然、冷たい濁流が流れ込む。
水は消えたのではない。
どこかで止まり、どこかで壊れ、別の形で流れ出している。
見習い記録係カナタ、牧草地の人々、高原道の管理者たちとともに、リリィたちは雪解け水の行方を追う。
旧排水路、乾いた湿原、崩れた高原道、止まった水脈。
そして、季節の水を狂わせている見えない原因。
守られ続ける世界ではなく、自分たちで巡らせる世界へ。
第四部では、北方高原を舞台に、雪・湿原・草地・家畜・下流都市をつなぐ「季節の水」の再生が始まる。