あらすじ
伯爵令嬢リディアの婚約者は、何かあるたびに幼なじみの令嬢を優先した。
「彼女には僕しかいないんだ」
「君なら分かってくれるだろう?」
そう言われるたび、リディアは事情を理解し、約束を後回しにされることを受け入れてきた。
けれどある日、ふと気づく。
幼なじみを優先する婚約者っているのね、実際。
わたくしの婚約者が、そうだった。
怒鳴ることも、責めることもなく、リディアは正式に婚約を終わらせる。
そんな彼女の前に現れたのは、他国への留学から帰国したばかりの公爵令息だった。
約束の時間に来ること。
予定を変えるなら先に知らせること。
相手の話を最後まで聞くこと。
特別ではないはずの礼節を知り、リディアは初めて、自分がどれほど蔑ろにされていたのかを知っていく。