あらすじ
触れただけで、その人の人生(すべて)が流れ込んでくる――。
他人の体に触れることで、対象の記憶を強制的に追体験してしまう女子高生・朝霧 凪(あさぎり なぎ)。
望まぬ「視界」と他者の感情に濁流のごとく呑まれる日々に、彼女は深く苦しんでいた。
だが、高校の入学式。彼女の世界は一変する。
そこにいたのは、翡翠のように雅で、どこか浮世離れした先輩・玄霧 嶺(くろぎり れい)。
「……この人の記憶を、もっと知りたい」
初めて沸き上がった強い衝動に駆られ、凪は自らの異能を初めて能動的に使おうと試みる。
しかし、その指先が彼に触れた瞬間、凪を待ち受けていたのは、想像を絶する「記憶」の深淵だった――。
孤独な少女と、謎を纏う先輩。
「記憶」の境界線で交錯する、切なくも危ういサイキック・サスペンス。