あらすじ
目は見えている。でも、世界は灰色に閉ざされている。
その日、脳内に響いた「声」が、少女の運命を壊し始めた。
祈(いのり)は、全色盲という稀な視覚障害を持つ少女。
彼女を「芸術界の未来」と呼ぶ謎の「マスター」たちに画廊へと閉じ込められ、
今日もまた、理解できない芸術品の「鑑賞」を強いられていた。
そんなある日、彼女の脳内に脈絡なく響き始める女の声——風鈴。
風鈴は祈を導き、隠された短剣「サテュロス」を握らせ、画廊の外の世界へと連れ出す。
失われた色彩を取り戻す鍵は、世界に散らばった「禁断の果実」。
それを食べた者を見つけ出し——殺せ。
画廊の先に広がる外界は、どんな童話よりも奇妙で、残酷だった。
芸術の異空間、書物を燃やす教会、そして禁断の果実に蝕まれた「かつて人間だったもの」たち。
最初の舞台となる異国を皮切りに、祈の旅は始まる。
そして祈のすべてを知る風鈴こそが、最も危険な秘密を隠しているのかもしれない。
灰色の世界で少女が紡ぐ、アート×ダークファンタジー、開幕。