あらすじ
王太子アルフレッドには、身分違いの恋人リリアがいる。
婚約者である公爵令嬢エレノアは、二人の恋を以前から知っていた。婚約解消にも同意し、秘密の逢瀬が醜聞にならないよう、付き添いの手配から贈り物、リリアの教育、次期王太子妃候補としての披露準備まで、黙って支えてきた。
ところがアルフレッドは誕生日の夜会で、事前の約束を破ってリリアとの恋を発表。まるでエレノアを傷つけないために二人が長く耐えてきたかのような美談に仕立て、大勢の前で婚約解消を告げる。
エレノアは反論せず、静かに婚約解消を受け入れた。
「それでは、私が婚約者としてお預かりしていた役目も、すべてお返しいたします」
翌朝、王宮へ届けられたのは、エレノアが肩代わりしていた仕事の引き継ぎだった。
教師は来なくなり、完成間近のドレスは公爵家へ戻り、大夜会の費用と調整役も失われる。真実の愛に拍手を送った側近たちも、実際の仕事を前にすると「自分の担当ではない」と言い始め――。
王子の秘密の恋を守った皆様へ、後始末も皆様でどうぞ。
これは誰かを破滅させる復讐ではない。
他人の恋を守り続けた令嬢が、ただ自分の役目を返し、自分自身の時間を取り戻す物語。
※王太子との復縁はありません。
※処刑や没落ではなく、自分たちの選択に伴う責任を引き受けさせる「後始末型ざまぁ」です。