あらすじ

この物語は、領地の土と民を知り尽くしながらも裏方に徹していた子爵夫人が、自らの手で理不尽な運命と戦火を退け、真の領主として立つまでのお話。 「女に爵位は継げない」 帝国法により亡き父の爵位を継げなかったマルティナは、婿に迎えた夫を支え、リーメル子爵夫人として領地の実務を担い続けてきました。 しかし、夫は領地を顧みず、精鋭騎士と軍馬を連れて帝都に滞在していました。 その隙を狙い、異民族の騎馬軍が国境を越えてきます。 家臣たちは、十歳の息子を名目上の領主代理に立てるよう進言します。 そうすれば、マルティナが軍を動かしても、越権の罪を免れられるからです。 しかし彼女は、怯える我が子を責任の盾にすることを拒みました。 「兵を動かすのは私です。ならば、責任を負うのも私であるべきです」 亡き父の鎧をまとい、自らの名で軍旗の下に立つマルティナ。 剣の腕ではなく、誰よりも深く知る領地の地形と、領民を守る覚悟を武器に、彼女は絶望的な防衛戦へ挑みます。 「ただ留守を預かる妻」だった女性が、すべての決断と責任を引き受け、帝国最初の『女子爵』として歴史に名を刻む物語。 ――記すのは、わたくし、ラトゥナ・ケートでございます。

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小説を読もう2026/07/20
  • 現在の作品帝国最初の女子爵 ~爵位なき夫人の辺境防衛戦~