あらすじ
伯爵令嬢エルゼリカ・ノルヴィーユは、婚約を境に人生を奪われた。
婚約者の屋敷では、未来の義母から「嫁ぐ女は慎ましくあるべき」と食事を減らされ、使用人のように働かされる。婚約者ルドヴィクは彼女を見下し、あげくエルゼリカの従姉妹と浮気。実家に助けを求めても、返ってきたのは「我慢して嫁ぎなさい」という冷たい命令だけだった。
婚約破棄後、傷ついた彼女は隣国へ渡る。そこで出会ったのは、冷静沈着で人を寄せつけないと噂される王弟殿下、ラザリオ・エルドレイン。
彼は飢えを隠して倒れたエルゼリカに、何も聞かず、温かいスープを差し出した。
やがてエルゼリカは、食材や薬草の知識を見込まれ、宮廷の食医として働くことになる。病める人の身体を食で整え、心の傷も少しずつ癒やしていく彼女。その隣には毎晩、彼女のためだけに温かいスープを用意する王弟殿下がいた。
食卓を奪われた令嬢が、自分の居場所、自分の価値、そして真っ直ぐな愛を取り戻す再生ロマンス。