あらすじ
人間と怪異が共に暮らす世界。
新社会人の春人は、大雨による水害で住む家を失い、職場の上司である怪異・黒瀬と同居することになる。
無口で近寄りがたいと思われていた黒瀬だったが、本当は誰よりも穏やかで優しい怪異だった。
食事を作り、帰りを待ち、疲れた時には抱き寄せてくれる。
大切なものを腕の届く場所に置いておきたい――それが、怪異なりの愛情表現だった。
やがて恋人となり、少しずつ距離を縮めていく二人。
水族館への小旅行、雨の日の迎え、何気ない「おかえり」と「ただいま」。
孤独だった怪異と、居場所を探していた青年は、共に暮らす中で、かけがえのない帰る場所を見つけていく。
これは、やさしい怪異と人間が紡ぐ、穏やかで少し不思議な日常の物語。